妻の名を忘れ、愛を思い出す | グレースケアのとんち介護教室

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時代の先端にして崖っぷち、ケアのトレンドを脱力レビュー。

29日のTBS『情熱大陸』では、越智俊二さん(59)を追い、若年性認知症の当事者としての日常をドキュメント。


47歳から物忘れが始まり、アルツハイマー病と診断、仕事を辞め、妻と二人暮らし。でもその日常は、記憶を失っていく恐怖とか絶望、、、にさいなまれるのではなく、むしろ訥々と、できる範囲で一日一日を楽しく大切にやり過ごすといった風。


それには、奥様の力が大きい。できないことを指摘して嘆いたり、まして責めたりするのではなく、大したことじゃないと受け入れてできることに注目しフツーの日々に感謝する。

すぐに忘れてしまうのだけど、写真や胸の奥にとどめるために今繰り返す小旅行。

仕事に行くときは、行き先と帰りの時間を大書して貼る。それでも30分もいないと不安で玄関先で待つ当事者の夫。


夫は、アルツハイマー病への偏見を取り除くため、講演活動をしている。

最後に言う。「一番大切な人は、かあさん(奥様)です。いっしょにいると安心します。病気になって家族の大切さを知りました。かあさんを忘れてしまうのではないかと不安です。もし忘れたとしても心の中には残るはずです。大切な今日一日一日を、その時その時を大切に笑って生きたいです」


仲の良いご夫婦。夫の呼ぶ「かあさん」は、子どもの母というより、自分にとっての母になっている。進行する病気の先に不安を覚えつつ、いまを充分に大切にする。


夫婦に限らず、そんな時間を共有できる大事な人がいるのはよいと思う。


ただ、夫婦ならそうならねばならない、というのは違うだろうし、理想のモデルになるのも困る。

若年性の認知症は、隠している人を含めると10万人にのぼるのではという。

それぞれいろんな事情がある。


以前勤めた老健では、発症して、すぐに妻に離婚され、実母(ホンモノのかあさん)が通っていた方がいた。

それでも、軽々しく妻のことを悪くいえないと思う。

名前を忘れるほどになって、はじめて愛情を求められても、応えられない。


うちも、お互いかなり怪しい。

社会的なケアの整備を急がなくては。

と思ってグループホームで介護をしています。みんなやろうよ。呆けたら助けて!

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