検索に 頼って頭は グーグルパー | グレースケアのとんち介護教室

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NHK特集、グーグル革命~あなたの人生を検索が変える。


検索連動型の広告が、売上を左右するため、グーグルの上位に表示されるために苦心する事業者。

ケータイ比較のホームページ上、グーグルにリンクした広告収入が月90万円にのぼり、リッチな高級マンションで暮らす若者(以下ジョン君)。


強迫的なまでに世界中・古今東西のあらゆる情報を収集しつくそうとするグーグル社。

「便利になるためには情報を与えなければいけない、信頼できるところに預ければ安心…」とCEO。

趣味や関心、検索履歴からいまいる位置まで、投げかけると、個々により一層ターゲットを絞った情報が得られ、便利になるという。これ、利用者にとっていいことのようだけど、得られる情報は、結局、企業広告というカラクリ。スポンサー企業がお金をかけて必死にリンクさせているもので、資本の思惑がより精緻に生活にいきわたる、といった印象をもつ。


ジョン君はすっかり信頼して、キャッシュカードのナンバーも、買い物や行き先検索の履歴も、み~んなグーグルに預ける。いわく、「個人情報はもちろん、記憶すら預けている」「自分が忘れていた過去のことも検索結果で出てきた」「自分の記憶に存在しないことでも、インターネットの世界では永遠に存在することを知りました…」


『ウェブ進化論』などでは、どちらかというと、グーグルを、一部メディアや大学に握られていた情報をとことん一般に流通させ権威を無化することや、富の分配・経済的な格差の是正を掲げていることなど、ポジティブに評価しているが、今回のNHKの立場は、バランスをとっているように見せて、結構ネガティブな面を強調している。(ほんとはNHK、グーグルみたいのは嫌いなはず)。


確かに、「グーグル政府」とか「グーグル通貨」といった社員の発想の落書きを、そこだけ取り出すとかなり怪しい。中国では天安門事件がリンクされないとか、検索上位から突然消された企業と「グーグルにとってそのホームページはどうでもいい」みたいな弁護士の言い草なども、反感を呼びそう。個人情報を預けるのも心配…。


きっとでも、検索エンジン自体が新しいテクノロジーというだけで、どう使いこなすかは、自分たち次第。


例えば、認知症は記憶障害だが、その記憶を脳以外のところに保存しておき、それを外部記憶装置として、障害を補うことに使えれば、初期のころには役立つかもしれない。昔は紙の日記、いまはPCのハード、そしてネット上のどこかへ。


やがて本人は、パソコンの使い方も忘れてしまうだろうが、過去の趣味や生活史を、サポートする人が記録を覗き込んで参照できるとすれば、かなり援助には使える。いまは、本人の断片的なことばや、家族からのヒアリングによってアセスメントを行い、本人のことをできるだけ理解し、その希望や志向を半ば想像しながら、ケアプランをつくっている。


徘徊して行方不明になりがちなら、え~っと本人20~60歳までの地図検索の履歴をみると、銀座3,308回、新宿124回、秋葉原3回、鶯谷56,336回、…、よし鶯谷だ!あやしい!


夜間不眠がちなら、え~っと本人がグーグルを使った時間帯の割合は、21~22時:11%、深夜2~3時:34%、…、よし、しょうがない!PCの前にどうぞ~! 眠剤なんて使わないで済む。


スーパーに同行しても、なかなか自ら選んでもらえないなら、買い物履歴を「フード」「お菓子」などに絞って検索、…あぁ、おばあさん、やっぱりこれが好きだったのね、『おばあちゃんのぽたぽた焼』8,046回、とか。


朝の更衣介助、コーディネート任されても困るので、「ファッション」検索で、本人の好みを探り、じゃぁ今日はこれとこれでどうですか? 35歳のときのアバターを意識して…、とか。


う~ん、やっぱり何となく、イヤね。

いまのうちから、変な検索ばっかりしないように気をつけよう…。「由利徹」とか…。



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