人間国宝の大勝負 | グレースケアのとんち介護教室

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時代の先端にして崖っぷち、ケアのトレンドを脱力レビュー。

桂米朝師匠が日経新聞で言っていた。

「団塊の世代が一線を退いて、元気がのうなると困るさかい、趣味を、生きがいを、と言わはりますが、芸の世界は還暦過ぎてからがほんまの勝負です。忙しゅうて、しょぼくれてる暇なんかおまへんでした」


1925年生まれ、80歳になる米朝は意気盛ん。これ「シニア記者がつくるこころのページ」とかいう連載で、記者が一生懸命、「笑いの効用とは?」と質問を投げかけ、「しょぼくれシニアの蘇生の武器」!とまとめたいのに、米朝「なんや知らん、答えに困る平凡な質問ですな」と素っ気ない。芸人にはそもそも定年なんてないので、60歳とかシニア世代とかで区切る発想がそもそも違っているのだろう。


メディアの大勢は、団塊世代がこれから続々リタイアしていく、生活も価値観も一変する、準備をしようと煽る。会社から社会へ、都心から地域へ。ある種コミュニティ・ビジネスであるグループホームでは、ボランティアだろうと入居だろうと、団塊世代をそろそろ迎え入れる覚悟はできている。(うるさいだろうな)。


でも本当は、年齢によってある日をさかいにその人物の中身が劇的に変わるなんてことはあり得ないのだから、とりあえず慌てずに自分を貫いて欲しい。よくわからないが、退職後も勝手に通勤して日比谷公園の掃除をするとか、買物に入った丸ビルのショップで名刺交換するとか、会社のグループウエアにアクセスして迷惑メールを送るとか、山手線に乗りながら駅ごとに駄洒落を考えてみるとか…。これまでとやることを急に変える必要はないし、むしろ芸として磨いていく方がよい気がする。


米朝の記事後半には、後継者の吉朝も枝雀も、また志ん朝も先に死んだとある。やっぱり芸は身を助ける。そして最後は長生きそのものが最高の芸になるようだ。めざせ人間国宝。勝負は還暦後に始まる。


♪もっとでっかいこと、な~ぜで~き~ぬ 植木等「しょぼくれ人生」より

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