「伝えたい 介護の楽しさ 奥深さ」
シルバー新報 の20周年企画、作文コンクールの結果が発表された。
最優秀賞は福岡綾さん(24)『老いを想像する楽しさ』。
優秀賞は、湯浅しおりさん(41)『コムスンに感謝』、栗山恵久子さん(59)『50歳からの挑戦』。
応募281通から絞られた11の最優秀賞候補作品 はネット上でも読むことができる。
「介護の仕事は終わりがない。それは、多分、自分がどう生きていくか、どういう生き方をしているかを問いかけられる仕事であるからだろう」
「私は今の仕事や職場、仲間が好きだ。毎日、発見や笑いや(時々苛立ちも?)に満ち満ちていて、とても人らしい日々が過ごせるから」
「毎日、毎日、利用者様ごとに《物語》があるのだ。大切な人生の1ページの中に少なくとも関われていることに誇りを持ちたい」
「最期まで。限界まで。お別れの時が明日、ふいに来てしまっても、決して後悔する事のないように。魂のケアが静かに行われていく」
それぞれ、介護の魅力をいきいきと伝えている。
長い人生とその終わりに関わる重さ、認知症の方から気づかされる人の力、性別や年齢で差別されない仕事。
そして面白い。やっぱり、この仕事を続けていてよかったーと再確認。
ただ…
「たとえどんなに安月給だったとしても、仕事に対する誇りの面では、どんなセレブにも負けない気がする」
「お金にはかえられない大切なものだと気づかせてくれるこの仕事を私はこれからも続けて行くだろう」
私も確かに、そんな誇りと矜持はある。ただ違うのは、思いっ切りやせ我慢ということだ。
だから、介護の仕事は安くていいとか、善意ややりがいばかり期待されたら、ちょっと違うと思う。
作文中にもあるように、対人サービスのなかでも、「お客様」への直接的・表面的な接遇だけではなく、人生や家族や地域や尊厳や権利や自立や身体や疾病や障害や怒りや笑いや涙やなんやかや含めての、まるごとのサービスになるわけで、仕事に求められるスキルの面では、どんなセレブにも負けない気がする。本当は。
そんな大切なものをフェアな報酬にかえていかないと、この仕事を続けていけなくなるだろう。
現場の人材不足がそれを現している。
で、若い人をはじめ、ただただキツイのにお金が安い、みたいな印象で、介護の仕事を避けられるのは悔しい。
多くを先人に学び、いろいろなスキルを身につけ、育てられる仕事。
あわせて職能(ケア専門職)や業界の社会的な評価も、いっしょにこれから育てていく仕事。
さあいっしょに働きましょう、続けましょう!
いまひとつ、自信がもてない方!
特別に、今回の作文コンクールで惜しくも選外に選ばれた私たちNPOの女性メンバーの作品を転載します。
最優秀賞10万円は逃しましたが、優秀賞も逃しましたが、候補も逃しましたが、…あれ?
それでもめげずに、自信をもってここで発表! (このように自信をもつことってカンタン。違うか)
賞なんて関係ないですよ、副賞もわずかでしょ? 全然くやしくないですよ…。愉しく働けるのがなによりの賞です。現場で働く一人ひとりが一等賞だよ!
て思いっきりやせ我慢してどうする。
タイトルは、『めざせ最後の女』。
つづく。