朝日新聞5/13付朝刊、「政策ウォッチ・若者が希望持てる待遇を」の記事中、定員割れの介護専門学校の校長いわく「介護職が主役のテレビドラマやってほしい」とか。
(やっぱりあさみんか? がんばってよかったね、主役だよ!ってしつこい)。
記事のトーンはやっぱり担い手不足、報酬アップも未定、過酷な勤務、と救われない。
確かに世の注目を集め、あまたある「社会問題」の中での優先順位を上げないと、いつまで経っても介護職の報酬も社会的な地位も低いままに放置されかねない。そんな警鐘を鳴らす効果は絶大、な反面、あれ読んだ親や高校のセンセイは言うだろう、「介護職だけはやめなさい」。あれ~。
ちょっと待って欲しい。そんなに悪いものじゃない、むしろ、こんなに面白く、チャンスに恵まれた仕事はない、と言い切りたい。
空元気やハッタリは入れずに(少ししか)。
理由はいくつかあるが、大きなものの一つは、いま人材が乏しいことそのものだ。介護の必要な方自体は急増していくので、希少な一人一人の介護職の市場価値は自ずと上がっていく。
千利休いわく「人の行く裏に道あり花の山」。(ってまるで株屋さん?もちろんリスクあり)
ちょっとの努力を惜しまなければ、介護業界でそれに見合うフェアな報酬を得ることは可能だ。
(ライバルも手ごわいけど。高学歴な外国人 とか、高機能なロボット とか)
例えば、はっぴ~ライフの辻川泰史さん。新卒で介護現場に入り、24歳で起業。訪問介護に居宅にデイを3ヶ所と展開、そして続くスタッフの昇給や昇格に積極的に取り組んでいる。
たまたま私たちのNPO事務所のご近所に拠点があって、聞くところによると、デイの管理者を複数兼務すれば、年収500~600万円は可能、結婚して子ども生んだり家建てたり、実際やれます、やってます。とのこと。
んで、沖縄デイとか、ユニークな事業を面白がって試みていて、しかも介護保険の枠内で実現しているのがエライところだ。ルールのなかで結果を出す。
(ちなみに私たちは、ルールの外がメイン。お客様のオレが掟だ支持しつつ専門職としてぶつかる)
はっぴ~通信 5月号より。
「福祉の仕事は大変と感じる部分に焦点が当たりやすいと思います。福祉職の良さに焦点を当てた番組はあまり見たことがありません」
「若い世代が憧れる業界にしていくために、…20、30代の代表として業界を明るいイメージに変えていこうと決意しました。皆様の力を貸してください」
私もその思いは共感できる。今年は、シルバー新報 の作文コンクール「伝えたい介護の楽しさ奥深さ」や、『おはよう21 』6月号(中央法規)の特集「語ろう、伝えよう、介護の魅力!」など、ポジティブ・キャンペーンがじわじわと始まっている。これを業界内だけでなく、広くアピールしていくことが、いま本当に必要だと思う。
ということで、やっぱりケアエイド2008か? We are the Aged!
手始めに、関東圏の方は、以下ぜひご参集ください。
とうきょう地域ケア研究会
5月22日(木)18時30分より
「介護の世界の未来をつくる―生きがいのある仕事にするための条件」
講師 辻川泰史さん(株式会社はっぴ~ライフ代表取締役)
料金 500円
会場 武蔵野スイングホール10Fスカイルーム(JR中央線「武蔵境」北口駅前)
申込みは不要です。
ケア研は、山田穣さん(リハビリデザイン研究所)と宇佐神さんをコアに、毎月、現場介護職やヘルパーを中心に、吉祥寺か武蔵境で開かれている集まり。私はときどき参加しているのだけど、今回は辻川さんがゲストなので、ぜひ大勢集まってもらいたい。
謙虚だけど勢いのある彼を皆でやっつけよう! じゃなくって応援しよう!
介護保険事業でも、現場がやりがいをもち、高給で報いる仕組みをつくることができる?
その秘密のノウハウを公開。介護職への提言もあり。
じきにコンサルも開業するらしいから、次に話を聴くときはきっとお値段10倍。
何より、業界全体を明るく将来性のあるものに変えなきゃという意欲と使命感。
二次会での熱いトークにも期待。便乗して、オフ会にもしてしまう?
先の謹言には下の句がある。
「人の行く裏に道あり花の山、いずれを行くも散らぬ間に行け」
いまなら間に合う花の山、介護職枯れて散りゆくその前に。
テレビドラマにならなくてもいい。主役は、現場で愉しく働いている、そして働こうとしている私たち一人一人なのだ。
(注:田園調布に家を建てる必要はないですよ)